みんなde印刷を学ぼう

第1回

OfficeソフトからPDFデータへ変換してみよう

印刷通販のクレアールでは、Illustrator形式やPhotoshop形式の他にPDFで入稿することができます。
PDF形式だとレイアウトが崩れたり書体が変わったりせず、ほぼデータ通りに印刷することができます。そのため印刷会社ではPDF形式での入稿が好まれます。
しかし、WordやExcelなどOfficeソフトを使ってデザインしている方が多く、単純に「名前を付けて保存」でPDF形式に変換しても解像度が低く印刷に適さないPDFになってしまいます。
そんな難しいことを言われてもどうしていいかわからん!


そこで今回は、Officeソフトから高画質で印刷に適したPDF形式への変換方法を「Word編」「Excel編」「PowerPoint編」の3つに分けて解説していきます。 「PDF形式の入稿が好まれる理由」と「入稿前の確認事項」も参考にしてみてください。
下記のリンクから各ページへ行けます。

PDFでの入稿が好まれる理由

印刷会社へ渡すデータは、様々な形式で入稿することができますが特にPDF形式での入稿が好まれます。
Illustrator形式やPhotoshop形式よりもなぜPDFが好まれるのか…。
その理由をわかりやすく解説します。


固定されたレイアウトとフォーマット

PDFは文書や画像のレイアウトを維持するのに適しています。ファイル内に必要な情報がすべて含まれ、他の環境や機器で開いても見たままの表示が可能です。
PDF以外の場合どのような不具合が起きるのか、Illustratorを例に見ていきましょう。



Illustratorの場合、リンクされている画像がフォルダの中に入っていないと画像のようなエラーが出ます。

Illustratorで画像がないときのエラー

また、入稿先のパソコンに使用したフォントがインストールされていないと画像のようにフォントが変わってしまいます。

パソコンにフォントがインストールされているとき

Illustratorでフォントがあるときの画像

パソコンにフォントがインストールされていないとき
※ピンク色の部分は、フォントがないときの表示です。

Illustratorでフォントがあるときの画像

入稿先のパソコンにフォントがインストールされていてもレイアウト等がくずれる場合があるためデータ不備として再入稿を求められます。

異なるプラットフォームでの互換性

PDFはWindowsやMacなど異なるOSやソフトウェアバージョンでも一貫して表示されるため、印刷会社が異なるパソコンを使用していても問題ありません。



一般的にWindowsのシェア率が多いですが、多くの印刷会社やデザイナーさんはMacOSのパソコンを使っていることが多いです。
昔からの流れもありますが色やフォントの良さからMacOSが使われています。

フォントの埋め込み

PDFにはフォントを埋め込むオプションがあり、これにより印刷会社が正確に同じフォントを利用できます。これは文書が他の環境で開かれた際にフォントの置換が起こらないことを保証します。

つまりは、WindowsでもMacでもレイアウトが崩れず、フォントも変わらないため送ったデータと違う印刷物が出来上がることを防ぐことができます。 印刷会社としても安全に正確に印刷物をお客様に届けることができるため好まれます。

入稿の前の確認事項

入稿の前に下記のことを確認するとより印刷に適したデータになります。PDFのプロパティからすべて確認できます。

プロパティの確認方法

左上の【ファイル】をクリックします。

pdfのプロパティの開き方を説明した一つ目の画像

【プロパティ】をクリックするとPDFのプロパティを表示することができます。

pdfのプロパティの開き方を説明した二つ目の画像

ショートカットでも開くことができます。

  • Windowsの場合 Ctrl+D
  • Macの場合 command+D

フォントの埋め込み

変換したPDFのフォントが埋め込まれているか確認し、フォントが正しく表示されるようにしましょう。

フォントが埋め込まれている例

プロパティの【フォント】のタブをクリックするとフォントが埋め込まれているか確認できます。
画像の赤枠のように(埋め込みサブセット)と表示されていれば埋め込まれています。

pdfのフォントが埋め込まれているか確認できる画像

サイズの確認

プロパティから塗り足しを含めたサイズになっているか、作成したい任意のサイズになっているか確認しましょう。

サイズの確認方法

プロパティの【概要】のタブをクリックすると任意のサイズになっているか確認できます。
赤枠のところが任意のサイズになっているか確認しましょう。塗り足しが含まれたサイズになっているかが大事になってきます。

pdfの書類サイズが確認できる画像

セキュリティの解除

PDFにセキュリティが設定されている場合、印刷会社が正常に印刷できるようにセキュリティを解除してください。
セキュリティが設定されていると入稿先でPDFを開くことができなかったり面付け作業ができなかったりします。

セキュリティ設定の確認

プロパティの【セキュリティ】のタブをクリックするとセキュリティの状態を確認できます。
画像の赤枠のように「セキュリティなし」、青枠のように全て「許可」になっていれば大丈夫です。

pdfにセキュリティが設定されていないか確認できる画像

これらのことを入稿前に確認することで、安心かつスムーズに入稿をすることができます。
少しでも「入稿したけどデータ大丈夫かな?」「ちゃんと思い通りの印刷物ができるかな?」など入稿時の不安を減らしましょう。